2015年7月31日金曜日

キワダ干し

白山麓、下田原の清四山のキワダ干しの写真が届きました。
キハダの事を白峰ではキワダと言います。
梅雨時に採取して乾燥したものを生薬では、黄柏(おうはく)と言うそうです。
黄柏には防虫効果があり、昔は写経用の紙を染めるのに用いられていたとか。
以前、この樹皮で絹のスカーフを染めた事がありました。樹皮の色と同じ鮮やかな黄色に染まりました。
生薬としてのキハダのエキスが入り込んだようで、纏うと身体に良さそうなどと思ったものでした。
キハダ(黄檗)  ミカン科
キハダの実は食べられると言う先生がいて、試してみましたが・・・
食べられるとしても食べれたものではありませんでした。!
           
壁に吊り下げた黄色が鮮やかです。
何年か前にも、この景色を見たことがあります。
その頃に比べたら、黄色い樹皮の数も少ないようです。しかし・・・
季節になるとキハダの樹皮を剥ぎ吊り下げて乾燥させる・・・。変わらずに干されたキハダを見て、
繰り返される山の仕事に感服しました。
時期を心得た、山や木々を知る人達の暮らしがありました。

2015年7月26日日曜日

夏祭り体験

夏祭りが終わりました。
昨年と同じように、見物を決め込んでいたら、「一軒に1人は出なくてはいけない」との叔父からのお触れが伝わってきました。意を決して出かけた二日目、暑い午後からのキリコ押しです。
一日目 町内を廻ったキリコは、船に乗せられて、港内を巡ります。
港内には、小さな子供キリコも明かりをともされて浮いていました。
若者たちの力で、キリコを回します。
危ないので、撮影に専念!?
キリコを上場から海に入れて・・・
三年前から行われているのだそうで、こんなにと思うほど若い人達が楽しんでいました。
小さな座布団を肩に当てて担いだキリコは、今はタイヤが付けられて押して町内を練り歩きます。
押して歩くのは、キリコではないように思っていましたが、それでも老いも若きも楽む姿が溢れていました。
祭り装束も替わり、キリコも随分と小さくなりましたが、太鼓や笛、鉦や掛け声に、遠い昔の夏祭りを今年も体感しました。
           
           

2015年7月23日木曜日

白山麓の花便り

暦の上では、大暑。毎日暑い日が続いていますが、今日の雨は、少し涼しさを運んでくれました。
土用のウナギならぬドジョウの蒲焼きが懐かしい頃、白山麓から花の便りが届きました。
こちらの方では、カキランはすっかり花が終わっていますが、やはり標高の高い白山麓。
今が丁度見頃のようです。
カキラン  ラン科
柿のような色の花なので、カキランと名づけられたとか・・・
カメラのせいかちょっと色が違ってます。
石川県では、準絶滅危惧種のカキラン。
白井さんから聞いていた場所は、土捨て場になっていて全く姿が見られなかったとの事でした。
道路工事や河川工事で、数少ない植物たちが姿を消していきます。
白井さんの憤る姿が目に浮かぶようです。
もう少し、細やかな心遣いをして欲しいと願わずにはいられません。

幸いにも、森さんと探したカキラン。
来年もそこで会えますようにと・・・写真を見ながら思ったのでした。

石川県のレッドデータブックのカキランの写真は、2006年に白井さんが写されたものでした。奇遇!?
           

2015年7月18日土曜日

コオニユリ

いつもの通勤コースから、寄り道をして海岸沿いの道を帰宅した日。
山側にオレンジ色のオニユリが咲いているのを見つけました。
懐かしい花を撮影です。
コオニユリ  ユリ科    
石川県では、準絶滅危惧種。
奥能登の海岸沿いではコオニユリ、加賀の山中ではホソバノコオニユリ見られるが、いずれも
減少しつつあるとの事。  河川開発、海岸開発、道路工事、園芸採取が絶滅の危険要因。
オニユリだと思っていたのですが・・・
葉の根元には、ムカゴがありません。
昔、良く見たオニユリには、茶色いムカゴがたくさん付いていたように記憶しています。
オニユリとよく似たコオニユリは、ムカゴを作らず種を作るとありました。
どうやらコオニユリのようです。
カワラナデシコ  ナデシコ科
同じ斜面に、タカネナデシコとよく似たカワラナデシコも咲いていました。
花びらが深く切れ込んで、レースのように繊細できれいです。
撫子と言えば、このカワラナデシコの事を指すようで、撫でたくなくほど可愛らしい花と云う事で名づけられたとか。別名の大和撫子は、セキチク(唐撫子)と区別する為に付けられた名前で、この花のように清楚な日本女性への美称とありました。
「草の花はなでしこ 唐のはさらなり。大和のもいとめでたし」  枕草子より

能登にも興味深い植物がたくさんありました。
浦島花子の故郷再発見は、まだまだ入口に立ったばかりです。

青空にオレンジが鮮やかなコオニユリ  7/19

山の人の話

白山麓から、懐かしい人の写真が届きました。
白峰で二つ目のアパートに居たときの近所のおじさん、タロコサとうちゃんです。
彼は、太田谷の出作りで育ち、今年82才になると云うのに、今でもそこへほとんど毎日通っているそうです。
昔、通勤の途中に、オートバイで山に向かう姿をよく目にしました。
タロコサとうちゃんとシロベの山の地蔵さま
タロコサとうちゃんは、出作りにあったシロベの神様を林道縁に下ろすよう家人に頼まれたそうです

白峰では、石仏や地蔵さまの事を何故か神様と言います。
御神酒を供えお参りしてから背にした籠に担ぎました。 
移動したくない地蔵さまは、背負うと急に重くなると云います。
「重たないか」と訊くと
「行きたいでか、軽ぁ~るい」と言って、タロコサとうちゃんは林道まで担いで出たそうです。
こちらは、不動明王のようです。
シロベの山の神様は、白山ろく民俗資料館の企画展開催中は、資料館に安置されて
その後は、タロコサとうちゃんが制作中の祠に安置されて林道縁で行く人達を見守ります。
もう一体の不動様は、重さ70~80㎏あり、後日の宿題です。

山の地蔵さまは、峠や休場や難所に安置され、山の守り神として人々の祈りを受け、山で暮らす人々の心の拠り所でした。
近年、地蔵さまが盗難にあうことが多いとの事。
地蔵さまには、そこに居る訳があるのに・・・。
石仏たちは、今は居なくなった山の人たちの来し方を見守り続けてきました。
タロコサとうちゃんの神様を見る笑顔は、山で神様と一緒に暮らして来た人の思いが溢れています。

2015年7月15日水曜日

白山の花便り

白山登山の案内でお願いしていたら、濱谷さんから白山の花が届きました。
今月の11日~12日に登られた時の花たちです。
室堂山荘とコバイケイソウ ユリ科
今年は、表年でしょうか・・・?
県花のクロユリ  ユリ科
おしべとめしべの見える両性花?
イワヒゲ  ツツジ科
イワヒゲの花は、なかなかお目にかかれません。
咲く時期が早いのですね。
イワウメ  イワウメ科 
こちらも開花時期が早くて、なかなかお目にはかかれません。

この花は合弁花だそうですから、ひとひらずつ花びらが散るわけではないそうですが、
本当に岩に張り付いた梅の花のように可憐です。
シモツケ  バラ科 
観光新道でよく出逢う花。シモツケソウに比べておとなしい雰囲気です。
                                        撮影T.Hamatani
白山行きたくなりました。 
今年の花の白山は、葉月に入って少し静まった頃になるかもしれないなと思いながら、
又、「行きたいなぁ」とつぶやいてしまういつもの花たちとの再会。
涼しい登山道の空気も届くようです。
嬉しい花便りに感謝して、懐かしい道を思います。

2015年7月14日火曜日

源八山の花便り

白山麓源八山から花の便りが届きました。
標高の高い白山麓でも、胡桃の実を落とし、焼畑のヒエや畑のトウモロコシを倒してしまうほど風が強く暑い一日だったそうです。
 エゾアジサイ  ユキノシタ科
綺麗な青色のアジサイ。暑い日には涼しさを届けてくれます。
センジュガンピ  ナデシコ科
砂防新道で出逢うと嬉しくなります。

日陰の登山道沿いでも、ひときわ白く清々しい姿に見とれてしまいますが
純白がとんでしまい、残念ながら綺麗に撮影出来た事がありません。
アサガオ  ヒルガオ科
サツマイモ属だそうで、そう云えばサツマイモの花に似ています。

朝顔やすでにきのふになりしこと  鈴木真砂女           

儚げで潔いそんな花たちに心和まされ、新しい一日を迎えましょう。

2015年7月13日月曜日

コンニャク

久しぶりの畑仕事。晩生のジャガイモを収穫して、ネギを3種類掛けました。
赤ヒゲと云う赤いネギと、去年のリベンジの下仁田ネギと大和大ネギの3種類。
これは甥の趣味で、畑が狭いのに珍しい野菜が植えてあります。
去年に続いて、コンニャクも大きくなってきました。
コンニャク  サトイモ科
奈良時代に薬用として、中国から伝来した植物だそうです。
そう言えば、昔から〇〇の砂おろしと言ったいたような・・・
姿形は、テンナンショウやマムシグサの模様に似て、ちょっとグロテスクでお世辞にも好ましいものではありません。 
昨年は、凝固剤の準備が間に合わず、忙しい年末の時期に試行錯誤でのコンニャク作りでしたが
今年は早々に凝固剤が届けられて、準備万端。美味しいコンニャクがいただけそうです。

人は、酷暑に辟易としていますが、植物たちは、暑さなどなんのその。
動けない場所で、今を生きています。上段の畑脇にミント。葉をこすると爽やかなハッカの香です。
山ハッカに似ていますが、香りはミント。西洋ハッカの花でした。
シソ科  学名  Mentha : 
ハッカ(メンサ)属
 Mentha(メンサ)は、地獄の女王にハッカに変えられてしまったと
 いわれている女神の「Menthe」の名前に由来。(ギリシャ神話)
コマツナギ  マメ科
道路緑化などのために中国などのトウコマツナギが持ち込まれているそうで、
もしかしたら、これもそうなのかもしれません。道路工事の法面跡に咲いていました。 
一段落して見渡すと、周りには誰もいませんでした。
こんな日に畑仕事をしてるのは、やはり初心者以外の何者でもないようでした。
正午の音楽が流れ、ジリジリと照り返す畑を後にしました。

2015年7月7日火曜日

薄紅色に染まる道

緑の中に白い花々が美しかった季が終わり、
今、通勤の道沿いは、薄紅色の合歓木の花が満開です。
以前は、合歓の花を見ると梅雨も明けて「もうこんな季節だ」と思ったものでした。
花暦の早いことといったら、よそ見をしている内に秋になりそうです。
手取川ダム湖を右に、左に合歓の花を見ながら車を走らせた道。
同じように、合歓の花の長い睫のようなおしべがゆれて、初夏の陽に美しく映えていました。
ネムノキ  マメ科
樹皮や葉は生薬の合歓(ごうかん)、合歓皮(ごうかんひ)。
利尿、強壮、鎮痛などの薬効があるそうです。 
花言葉は、「この手を伸ばせば」・・・
この手を伸ばせば、何気ない日常が目の前にあり
その繰り返しの一日・一月・一年・・・そんな普通に感謝

今日は、二十四節気の小暑。
梅雨が明けていよいよ夏本番となる頃、暑さに向かう私たちを癒やしてくれるように
ネムノキの淡い紅色が美しいです。

2015年7月2日木曜日

花の山を歩く「オオヤマレンゲに会いに行こ♪」  Ⅲ

森の貴婦人、オオヤマレンゲ七変化。
白玉のような蕾は、うっすらと襟足に紅をさしたようです。
別名 「天女花」「森の貴婦人」と呼ばれるそうです。
花の色は移りにけりないたづらに・・・
実 
 やがて赤く熟して、オレンジ色の種が見える頃は、
花の清楚さとは似ても似つかぬ姿となります。
今年は、昨年に比べて花の数が少ないとの事でしたが、蕾から花、実等々いろんな姿を見せてくれました。小さな幼木も確認出来ました。少しずつ増えていくことを祈りながら、心ときめく暫しの逢瀬。
オオコメツツジ  ツツジ科  Rhododendron trinerve  
trinerveは、3本の葉脈という意味だそうで、よく見ると3本の葉脈が目立ちます。
 
ブナの幹を流れる雨(樹幹流) 
森を潤し伏流水となって、下流の平野を潤します。
アップで見たイブキジャコウソウ
 ツンと出たおしべが触角のようで、可愛い!!
白山禅定道の登り口           
吊り橋から
森の貴婦人やたくさんの花々との出逢いは、自然の奥深さを感じさせてくれました。
ブナの幹を流れる雨や吊り橋から眺めた手取川上流の流れ・・・
切り取られた一コマ一コマに豊かな自然の姿がありました。

 撮影 I.Yamaguchi