2014年7月29日火曜日

夏祭り

先週末、夏祭りがありました。
大漁祈願や海上安全を願う諏訪神社の祭礼です。
久しぶりに見たキリコは、随分と小さくなり、形も少し横長になったようです。車をつけて引っ張って動かしていました。
たくさんの人達がお酒の勢いをかりて、大きなキリコを荒々しく勢いよく、肩で担いで練り歩く賑やかな夏の夜の遠い記憶が蘇ります。トンネルの向こうの町内では、トンネルをキリコが通れないので、伝馬船に乗せてこちらの港にやってくるのでした。ゆっくりと夜の海を明るく照らしながら、こちらに向かって来るキリコの形が記憶の中にあります。海に浮かんだ大きな灯籠のようでした。

6基のキリコが勢揃いします。

6基の袖キリコが夜遅くまで練り歩き、その後、伝馬船に乗せられて港内をゆったりと航行します。
海からの恵みを祈り、海と人々の安寧を祈願して、太鼓とかけ声が賑やかに夜の港に響いていました。子供の頃に見た祭りとは、いろんな意味で幾分こぢんまりとしたように感じましたが、土地に根ざした若者たちの故郷への思いとエネルギーを感じた夜でした。


2014年7月25日金曜日

夏の日差しの恩恵

甥が、たくさんのテングサを採って来ました。テングサ下処理初体験。ベテラン達に確認しながらの処理が始まりました。きれいに洗って、砂やゴミ、貝殻を取り除き干します。1週間ほど、この作業を繰り返すと、赤茶色だったテングサも色が脱色されたようになります。3年くらいは保存しておいて、心太を作る事が出来るそうな・・・。海のぜんまいのようです。       
テングサ  紅藻類 テングサ科
まだまだ作業半ばのテングサです。

 今年の梅干しは、自家製です。大きなスモモのような梅は、親戚からの頂き物。小さめの梅は、甥の植えた梅です。夏の日差しは気まぐれ。土用に入ったと慌てて干したけれど、今年は真っ赤になりそうもありません。

梅干し作りは、梅にしたがえ・・・と。毎日、見守り、小さな変化にも早めの手当をするのが大切です。

梅干しもテングサも、夏のギラギラお日さまの日差しを受けて出来上がります。
人の都合ではなく、手をかけて自然が作り上げる美味しさです。


2014年7月23日水曜日

白山の花たち  その1

 今年の「花の白山登山」は、台風の影響回避で延期したにもかかわらず、雨風の山旅でした。
そんなお天気の中の白山の花々です。

その1 ハクサンと名前につく植物
 
ハクサンボウフウ    セリ科
ハクサンフウロ   フウロソウ科 
ハクサンイチゲ  キンポウゲ科  
ハクサンイチゴツナギ  イネ科   石川県準絶滅危惧種
ハクサンコザクラ  サクラソウ科
            ハクサンシャジン  キキョウ科         
ハクサンシャクナゲ  ツツジ科
ハクサンオミナエシ(コキンレイカ)  オミナエシ科
ハクサンタイゲキ  トウダイグサ科
ゴゼンタチバナ  ミズキ科   
名は御前ヶ峰と橘の実になぞらえたもの。そのため、今回登場です。   
ミドリゴゼンタチバナ  ミズキ科 

これから総苞(花びらのように見えるもの)が白くなるのかと思ったら、
薄緑色のままのものがあるそうで、それを区別して呼んでいるそうです。


撮影 T.Hamatani



他の山を余り歩かないので単純に比較は出来ませんが、白山は本当に「の山」だと思います。
どのコースを歩いても、たくさんの花々が迎えてくれます。
今回は、久方ぶりに展望コースを下山ルートに選んだのですが、雨風でコース変更となりました。
そんな天気でも120枚もお花の画像を送って下さった濱谷さん。毎回、ありがとうございます!!
少しずつご紹介して、白山の魅力をお届けしましょう。


2014年7月22日火曜日

そのひぐらしの・・・

蜩の鳴き声は、遠い日、夏休みの頃を思い出させます。
暑かった日差しが緩み、涼やかな風が吹き始める夕暮れ時に、カナカナカナ・・・
あぁ夏休みの宿題が追いかけてくる・・・。

堅い殻を破って
                   
蜩のイナバウアー

大人になったばかりの蜩は、躰も羽も薄緑色

セミは、ホタルと同じように成虫になってからの寿命が短い昆虫と言われていますが、実際は1ヶ月ほどの寿命のものもあるそうです。
蜩は秋の長雨の頃に孵化して、地中に潜り幼虫期間を過ごします。今夏、地上に出て堅い殻を脱ぎ捨てて成虫になったこの蜩、命を繋ぐ短い時を迎えます。
臥薪嘗胆?そのひぐらしにも実りの季節がやってきました。

1時間ほどで脱皮完了。お疲れ!!

白山麓源八山の蜩

2014年7月21日月曜日

山を歩く 花の白山登山

平成17年から続けてきた「花の白山登山」は、白山の高山植物に詳しい白井伸和さんと一緒に歩く山旅です。2年ぶりの白山は、台風の影響で中止、白山開山の日に延期になりました。
集合場所の別当出合には、山伏のいでたちの一団。碑伝(ひで)と云う板碑を持ち、登山者の安全を祈願しながら頂上を目指すそうです。

予報は余り芳しくなく、いつ合羽に着替える事になるかと思いながら、観光新道を登り始めました。別当坂は、ササユリが満開。登るにつれて、シモツケ、ハクサンオミナエシ、シラタマノキ、アカモノ、ヨツバヒヨドリ、ハクサンタイゲキなどの花が迎えてくれました。

仙人窟(せんにんがくつ)を過ぎたところで昼食後、先発隊が歩き始めた頃から、少し雲行きが怪しくなり始め、後発隊は合羽を着て歩く事になりました。殿が池から上のお花畑に着く頃には、視界も悪くなり、足下の花々を愛でる事も難しい状況。それでも風が収まると霧の中から姿を見せる花々を楽しみ、横殴りの雨の中を室堂目指して登りました。
翌日も朝から雨風で、残念ながらご来光は見ることが出来ませんでした。
開山1300年祭に向けて、改築の始まった白山比咩神社奥宮祈祷殿で、白山開山祭が8時から行われ、全員お参り。お池巡りなどはあきらめて、展望コースをエコーライン経由に変更し下山開始です。雪渓の残る道沿いには、アオノツガザクラやミネズオウ、クロツリバナやチングルマ等が可憐な姿を見せてくれました。


道沿いの植物をゆっくりと観察する事が出来ました。


水平道では、テガタチドリの群落が迎えてくれました。30本以上の花数だったとか。

クモキリソウ ラン科クモキリソウ属

花に詳しいメンバーの方から、ベニバナイチヤクソウやウメガサソウ、クモキリソウを教えてもらいました。まだまだ知らない花の白山の奥深さを感じた山旅は、雨に打たれて、山伏の一行にように修行をしたような二日間でした。




2014年7月12日土曜日

真脇遺跡

能登線が走っていたころ、真脇駅に降りると、ホームから山手には田んぼが広がっていました。
国指定史跡 真脇遺跡は、その田んぼの中にあります。

1980年、圃場整理の計画が持ち上がり、1982年~83年にかけて発掘調査が行われました。
その後の調査で、約4,000年間にも及ぶ国内有数の長期定住型の遺跡であることが明らかになりました。
昨年からの第18次の発掘調査では、50本の木柱根が出土し、今年は高い箇所を掘り下げて、木柱根の存在を確認しているそうです。

環状木柱列は、金沢の新保本チカモリ遺跡や富山県小矢部市の桜町遺跡などからも見つかっている北陸地方独特の特殊な遺構だそうです。

大量のイルカの骨や鳥さん土器、土面、トーテムポール状彫刻柱などが出土した真脇遺跡は、1989年には国指定史跡となり、1991年には出土遺物のうち219点が国の重要文化財に指定されました。
大昔の真脇人の暮らしを探る調査は、奥能登の静かな内浦の入江の奥で続けられています。


参考 能登町hp



2014年7月9日水曜日

珪化木公園

国道249号線を走るたびに、気になっていた看板。珪化木公園⇒ 一体、どこに珪化木があるのだろうか。鳴谷山登山の折に、じおくらぶのメンバーの方から「今度、珪化木公園に行こうと思ってる」と話しかけられました。地元を知らずになんたることとばかり、今日出かけてみました。

いつも見ていた看板を右折。

青い稲穂の美しい田園風景が広がります。

整備されていますが、ちょっと寂しい入り口
第1広場から第2広場まで車で移動。駐車場に車を停めて、階段を200段上がります。2ヶ所ほどに珪化木があり、説明の看板がありました。

階段を上りきった広場には、大きな珪化木の樹幹が横たわっていました。

大樹幹の説明板です。

能登町(旧内浦町)不動寺一帯には、新生代新第三紀中新世の柳田累層の凝灰岩類が多く分布しているそうです。この埋積している珪化木化石は、原地性の化石(本来の生育地でそのまま化石化したもの)であり、約2000万年前、日本海側に大規模な火山活動があった事を物語っています。
この珪化木群は、昭和62年3月23日 石川県指定天然記念物に指定されています。

又、同じ日に天然記念物に指定された珪化木として、旧白峰村百合谷の珪化直立樹幹がありますが、こちらの方は、中生代ジュラ紀後期~白亜紀前期の手取層群で、動植物の化石や恐竜の歯・足跡などの化石が発見されているので、よく知られているのではないでしょうか。

知らなかった故郷探検の一日となりました。

    参考 石川県の史跡・名勝・天然記念物(県指定)


2014年7月7日月曜日

マイマイガの猛威

マイマイガとは、鱗翅目ドクガ科の蛾です。今年、白山麓でも大発生しています。
ネットで調べると、平成25年度も全国的に大発生したようです。一度、大発生すると2、3年続けて発生するようで、植物にも又、肌の弱い人にはかぶれなどで被害がおよびます。
そういえば、この春先、知人が発疹が出来たと話していましたが、それもマイマイガの幼虫の毛が刺さった為だったのかもしれません。
実が残っているので、どうやらクルミ

キハダかと思ったら、ナナカマド

葉っぱがないのでわかりません。ドクウツギです。

本当に大変!!と、聞いていても実感がなかったけれど。
今年は、栗も胡桃も収穫が期待出来ないと言われた事の意味がわかりました。
法定森林害虫に指定されているのだそうで、岐阜県のホームページでは、大発生に関するページがあり、注意が促されてました。最も、能登の方ではこのような被害が今のところありません。
しかし、カシノナガキクイムシの時もそうでしたが、大発生が及ぼす自然への影響について、そしてそれが私たちの暮らしにも及ぶことについて、少しでも注目し考えていかねばいけないのだと感じさせられました。


2014年7月4日金曜日

鬼の矢柄

オニノヤガラ
 ラン科 オニノヤガラ属

無葉で黄褐色の腐生蘭。クヌギやコナラの群生する林にナラタケの菌糸と共生する。
若芽は滋養強壮に、塊根は頭痛やめまい、ヒステリーに効くと図鑑にあります。
なかなかに、効用のある植物です。


                                

白山麓の森の中、ひっそりと咲くオニノヤガラ。
秋には、ナラタケがたくさん姿を見せてくれるのでしょう。
豊かな自然がそこにあります。

2014年7月3日木曜日

キンセイラン


エビネのような葉っぱの間からひょろりと伸びた花茎の先に、優雅な花が数個。
キンセイランは、石川県では絶滅危惧種に指定されています。
白山麓の森の中、大量発生のマイマイガに負けずに咲き続けてほしい
可憐な花に出会いました。