2014年9月28日日曜日

秋の植物観察  五十谷

講師に白井さんを迎えて、秋の植物観察会を楽しみました。五十谷は、一昨年、同じ頃に歩いた場所です。所々に点在していた出作りの跡地なども辿りながら、五十谷川に沿って歩きました。
真面目にご挨拶の白井さん。実は皆さん顔見知りの間柄です。
ユウガギク(柚香菊) キク科   柚子の香りがするのかな・・・ 
白山がずっと姿を見せてくれました。
歩けば、たくさんの植物に出逢います。
「昔は、たくさんあったのに、近頃では見なくなった植物が多いのでは」と話しましたら、「それは植物がなくなったのではなくて、大人になって子供の頃のような感性がなくなった為にその植物が見えなくなったからだ」と白井さんに言われました。そうなのかもしれない、環境の悪化ではないのならと思いながら見上げた木は、マイマイガの被害で葉っぱが・・・。
マイマイガの被害も白山麓に集中しているようで、今一つ行政では危機感が薄いようです。
私たちの感性が弱くなったからと言っている内はよいですけれども。
「珍しい何かあった?」と知人に訊かれましたが、今ある植物たちが珍しい何かとならないようにと思ったのでした。


          

2014年9月26日金曜日

美味しい本

先日、美味しそうな本をいただきました。源八山荘主の知人が編集したレシピ本です。
定番の昆布巻きや昆布締めをはじめ、だしを取った昆布で作る出しがらレシピなど、お料理大好き人間の力強い味方となりそうです。
材料を無駄にしない出しがらレシピの数々
お彼岸の中日に、門徒寺のお参りに出かけました。お参り初体験!!
たくさんの老若男女・・・と言いたいところですが、たくさんの老男女でお堂は埋め尽くされていました。
15間4面の広い本堂内
翌日、寺の報恩講の話を聞きました。報恩講ならではのお経は勿論ですが、興味は、お斎の料理。
精進料理の要は、昆布。美味しい出汁が決めてとなります。
白山麓では、昆布等は使わず砂糖と醤油、塩等での味付けでした。お寺の報恩講にお参りする機会があれば、調理の話など聞いてみたいと考えています。

昔からの調理法や新たなレシピは、仏教文化に育まれた昆布と日本人の関わりを知るきっかけとなりそうです。


ノンオイル&10分でできる  『昆布レシピ95』  山脇りこ 著 / 永平寺御用達 奥井海生堂 監修 / JTBパブリッシング 発行
お料理のレシピと共に、昆布と日本人との歴史や昆布の科学、昆布の産地についても記載され昆布を美味しく楽しめる一冊です。



2014年9月20日土曜日

秋に見つけたもの

藤の瀬甌穴群を、友人と再度訪れました。稲刈りの終わった田んぼで稲藁を燃やす煙が、そこら中に勢いよく漂っている河原の縁に、彼岸花が咲いていました。
先日、訪れた時には、何もなかったところに、突然の真っ赤な花と蕾。お彼岸が近い秋の風物詩。
彼岸花  ヒガンバナ科
Lycoris radiata  花の美しさからギリシャ神話の海の妖精の一人、リコリスにちなんで名づけられたとか・・・
白山麓から・・・。
赤岩砂岩と礫岩の互層の岩山のイワショウブ。層理面に沿って筋状に分布していたそうです。
イワショウブ   ユリ科 
Tofieldia japonica 日本固有種  氷河期の遺存植物と言われる。
砂紋  (蓮紋、リップルマーク)
水と風が作った芸術作品は、天然のミルフィーユ。
手取湖畔の造形美。

立ち止まって見入る、そんな季節がやってきました。

2014年9月18日木曜日

倜儻不羈(てきとうふき)

「倜儻(てきとう)というのは、自分の考えをしっかり持つこと、人がああいうからといってそこへ行かないこと、自分の考えを明晰に持つことという意味です。不羈(ふき)というのは、・・・中略・・・馬の、手綱がつかない人、放れ駒のような人のことを不羈というわけです。
人に御せられない人、そして明快な、いつも明晰な考えを持っている人、それが 倜儻不羈(てきとうふき)であります」
司馬遼太郎が同志社大学での講演の後、森皓一教授から学生の為に字を書いて下さいと求められ、新島襄の言葉の中にもあった事を説明しながら、書いた文字だそうです。

自己嫌悪に陥った時に届いた言葉に、決まり事の中でも自分が判断すると云うことを教えられました。
掌の中の秋
美味しそうな栗。マイマイガの攻撃にも負けずに、艶やかな実をつけました。
白山麓に、実りの秋がやってきました。

2014年9月17日水曜日

藤の瀬甌穴群

県指定天然記念物の藤の瀬甌穴群を見にでかけました。
道路案内に従って、藤の瀬集落へ。山沿いの集落では、黄金色の稲を刈り、稲架にかける作業が行われていました。
目指す甌穴群は、河川敷にあるので川に沿って車を走らせました。
そのうちに、能登町の設置した立派な看板が。
県の紹介ページには、小さな滝があるとありましたが、どこにも見当たらず・・・。そこで町に問い合わせると、道を山側に曲がる川に沿って行くと橋があり、そこから下流を眺めれば河床にポットホールを見る事が出来ると丁寧に教えてくれました。
教えてもらった橋から川をのぞき込むと、河床がそれらしい雰囲気です。
指定地域は、藤の瀬川河原約600mの区間で、そのあたりの河床は、洗濯板のように削られ、大小の穴がたくさん空いています。長い時間をかけて浸食された河床の風景は、のどかな農村の秋色に溶け込んでいました。


藤の瀬一帯には、新生代新第三紀中新世の柳田累層に属するほぼ均質な軽石凝灰岩層が広く分布しており、ここを流れる上町川の増水時に上流から運搬されてきた円礫が、均質でやや脆い岩盤表面の凹凸部にはまりこんで、凹部中で回転運動をする際、岩盤を浸食して大小さまざまな壷状の穴(甌穴)を形成した。
下流部の大小10余りの滝とともに、河川の栄力により浸食作用の代表例として、学術的に貴重であるだけでなく、教育上も極めて大切な資料である。                                                         
昭和60年「石川県の文化財」より 
県指定天然記念物  昭和56年7月3日指定


2014年9月15日月曜日

懐かしい花たち

9月も中旬、白山麓から花の便りです。
オオシラヒゲソウは、白峰で初めて出逢いました。そこだけ、スポットライトがあたっているかのようで、足場の悪さも忘れて何枚も写真をとりました。野生の花でこんな派手なものもあるのだと思ったものです。
オオシラヒゲソウ  ユキノシタ科  
〇〇アカバナ??  アカバナ科      
タムラソウ  キク科
このタムラソウは、パンチパーマのようになってますね。アザミによく似てますが、棘がないので蕾も柔らかい印象です。三ノ峰への登山道で初めて見た時は、とても感激しました。
想像していたより背丈が高くて、登山道で一際目立つ存在でした。

源八山荘の主が、山仕事と地形調査の折に出逢った花は、自然に溶け込めば出逢える花々なのでした。
こんなところに思わぬ花々が・・・。そんな自然が、まだまだ残っています。

2014年9月14日日曜日

秋色の便りと・・・

「病には勝てても、寿命には勝てん」
退院間近の兄を亡くした人の言葉が、心に響いています。
人間は、ずっとこの歴史の中で、様々な病気を治す為の新薬を開発し、病気に勝つための研究を続けてきました。IP細胞も、日本中に話題を提供したスタップ細胞も、病気を治す為、或いは、より良くより長く生きる為にと今も研究され続けています。
信仰心の篤い人は、もう一歩先で物事をとらえているのかもしれません。
大嵐山と砂御前
シロヨメナ
昔話で、寿命の蝋燭の火を何とか消えないようにとする者の話がありました。
たしか、結局、延ばす事が出来ずに終わったのでした。

秋色の写真が届きました。
そんな事など思いもせずに時が流れていきますが、一日一日を大切に生きなくてはと思います。


       寿命とは・・・生命の存続する期間。特に、あらかじめ決められたものとして考えられる命の長さ。
デジタル大辞典の解説

2014年9月11日木曜日

小木石探訪

眞宗大谷派 磯越山法融寺は、県内有数の漁業の町、小木の高台に、十五間四面の偉容を誇る大寺院です。山門に続く階段の両脇の石垣には、小木石が積まれています。
磯越山法融寺 山門
鐘楼の台石
旧内浦町指定文化財 磯越の松

訪れた時、住職と坊守さんは、境内や周辺の掃除をされていました。
遙か昔の子供の頃、稚児行列で大きなお寺のお堂を歩いた記憶があります。
白塗りの額に黒い丸を2つつけてもらったのでした。白塗りする時のひんやりとした感覚が蘇ります。額の黒丸は、位星(くらいほし)」と呼ばれているそうで、まじないの意味があるとか・・・。

お寺の見事な小木石の石垣に、往時の石切業の隆盛を感じたひととき。
坊守さんにご挨拶して、お寺を後にしました。


  15間4面とは、15間四方の建物ということで、柱の数は16本です。白峰の林西寺は10間4面です。
  15間や10間の間は、マと読み、柱と柱の間のことで普通6尺(1.8m)以内ですが、6尺以上のものもあります。
  一般住家の場合は長方形が多く、4間に5間の家と言えば、梁間(幅)4間(7.2m)、桁行(長さ)5間(9m)の家のことです。
  寺院や神社は正方形に建てることが多く、前記のように大きさを表すことになります。

2014年9月9日火曜日

不思議な地形

珪化木公園へ出かけた時、木郎歴史古道なる案内を各所で見かけ、何だろうと思っていた盛夏の頃、
室井さんからメールが届きました。
こんな不思議な地形の場所を歩いたそうです。
ヒデッ坂

生憎の小雨模様。このあたりは、迷いやすい場所だとか・・・

コースの地図
地元の有志の方々が、地域興しの為に珪化木公園も含めて復元整備されたコースのようでした。

近くの旧内浦町小木地区は、県内有数のイカ釣り漁で賑わう漁業の町ですが、一時は石切業も盛んに行われていました。そこで切り出された石が、小木石。凝灰岩の中で堅硬な岩質の所が石材として利用されました。長い時間をかけて、雨や風に浸食されて、このような不思議な形になったのでしょうか。

故郷の魅力的な場所を遠くに住む室井さんに教えてもらいました。
秋には、コースを歩く企画もあるようです。一度、ゆっくりと歩いてみませんか。デッ坂

2014年9月1日月曜日

夏の終わりの白山

夏の終わり、白山へ行ってきました。白山初体験の方に同行の山旅です。
登山道でも山小屋でも、たくさんの子供達に出逢いました。
元気な子供達に、自らの運動不足を再認識しながら砂防新道をゆっくり登りました。
中央に同行の二人がこちらを眺めてます。
たくさんの花を撮影しながらと、先行する二人に随分と遅れている言い訳の登り道。
十二曲では、キヌガサソウやカライトソウ、エゾシオガマなどが迎えてくれました。
白山比咩神社奥宮
白山比咩神社の奥宮は壊されて、仮の祈祷殿が出来ていました。
神社の御朱印は4種類あるのですが、今回も7月の登山時と同じものをいただいていました。
今回の御朱印、達筆です。7月とは、峯だけが違います。
久しぶりの頂上からは、剣が峰、大汝峰を望む事ができました。
大好きな大汝もこちらからは、別人の姿です。
別山と室堂平


白山ジオトレイルの参加者や室堂山荘でいただいた心遣い。
晩夏の白山は、人と人との繋がりの有り難さと快さを感じた山旅となりました。



9月は予定を変更して、白井さんとご一緒の低山での植物観察を検討中です。もうしばらくお待ち下さい。