2015年9月2日水曜日

秋色の景色から

暑い!暑い!と毎日のように言っていた夏は、気がつけばあっという間に過ぎ去って、9月になりました。
稲が黄金色に色づき、刈り取りの頃を迎えています。
田圃の傍の湿地などで、よくガマを目にします。
白山麓の中宮温泉の受付のおじさんは、このガマの葉を刈り取り、ボイラー室で乾燥させたモノをくださいました。ガマで編むタビノ(白峰ではそう言っていました)の中宮式の編み方を調べに行った事から、その翌年の秋に初めて乾燥させたガマの葉を貰ったのでした。
1人には多すぎるガマを使って、大ぶりの篭を作りました。
手業が廃れていくのは、材料の調達に手間暇がかかるのが原因の一つでもありますが、使用する側の価値観も多いに影響しているのだと感じます。
たくさんのガマの穂を眺めながら、中宮のおばあさんたちの緻密で美しい篭が思い出されました。

ちくわのようなガマの穂。昔の蒲鉾は竹輪に似たものだったそうで、ガマに因んだ名前が付けられたようですが、江戸時代には、板にのせて蒸したものが蒲鉾と云われ、元祖蒲鉾は、竹輪と云う名前になったとか・・・ややこしい・・・。

因幡の白ウサギのお話では、赤くただれた白ウサギの身体を大国主命が真水で洗って、ガマの穂で拭いてやったように記憶しているのですが、漢方では、ガマの花粉は利尿や止血剤になるとか・・・
昔話の中に薬草としてのガマが記され、蒲鉾、蒲焼き、蒲団等々、
私たちの暮らしのすぐ傍にあったガマは、今ではちょっと遠くなりつつ秋色の景色の中にありました。

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