2015年4月29日水曜日

加賀の山を歩く 春の鞍掛山

小松市の鞍掛山を歩きました。初めての加賀の山です。
道の駅 こまつ木場潟に集合し、登山口まで移動。天気の良い土曜日とあって、駐車場は、満車状態です。
たくさんあるコースから、今日は、西の谷登山道から頂上へ登り、しし岩を見てから後山で昼食。
行者岩登山道を下ります。
低山と侮るなかれ・・・急な登りが続きます。
頂上からは、360度の眺望が楽しめました。
しし岩からは、眼下に『山笑う』如く春の山並み
下山後、周辺のアーチ橋を巡りました。
滝ヶ原石で作られた小松市指定文化財 がやま橋
メンバーと別れて、地元の西野さんの案内で、滝ヶ原石の石切場を訪ねました。
坑内は、外気温とはかなりの温度差で、ひんやりとした空気の中、切り出された石が積まれていました。
        手掘りで切り出していた石切場跡            
手掘りの鑿の跡が残る内部は、ローマの地下遺跡の趣です。
滝ヶ原石は、比較的柔らかで細工のしやすい凝灰岩です。町内には石切場が何カ所もありましたが、今では、この石切場一ヶ所になったそうです。一番良いのは、小豆色をした石だそうで、お隣の福井県の笏谷石が切り出されなくなった為、そちらの方へも出されているとの事でした。
石切場近くの看板
石切場に上がる道沿いの看板には、『山菜、茸類、雁皮等の採取を固く禁じます。』
と書かれていました。西野さんも中学生の頃、山で雁皮を採取したそうです。
雁皮紙は、質は密で光沢があり、湿気・虫害にも強く、古来「紙の王」とよばれて珍重されたそうです。「鳥の子紙」も同系統で、古くは斐紙(ひし)とも呼ばれていたそうです。   ブリタニカ国際百科事典より

加賀の山歩きは、地域を知り巡る興味深い山旅となりました。

2015年4月17日金曜日

花たより

海のない旧の柳田村は、家の周辺に花木の多いところです。
色とりどりの椿や木蓮、桜などが家屋敷とともに地域を彩っています。
道の傍のしだれ桜
覗いた温室の中には、有名なノトキリシマツツジ
珠洲市で満開の夜桜を撮影しました。昼間とは印象の違う景色です。
夜の桜並木は妖しげな雰囲気。
立ち寄った畑では、桃の花が満開です。世話もしないのに、季節になると可愛い花を咲かせます。
人は、日々の忙しさで季節の過ぎるのを見失ったりしますが、植物も動物も季節の移ろいに正直。
その時々を忘れずに、花を咲かせ声を聞かせてくれます。
白山麓から、鶯の初鳴きの便りが届きました。
ケキョとも囀れずに、ダム側からキョンの一鳴きだったそうです。
能登では、2月の終わり頃に、ホーホケ・・・ホーホケと、その後上手にホーホケキョと鳴いていました。
昨日は、窓の外を歩くツグミのグループを見ました。痩せて余り美味しそうではない???姿です。
長い冬を乗り越えて、食べ物も豊富な季節。新しい家族作りが始まるのでしょうか。

花々や新緑が美しい季節がやってきました。




2015年4月8日水曜日

海岸沿いの百合

能登の内浦の海岸線は、先月歩いた外浦とは全く趣の異なる景色です。
室井さんがその魅力に惹かれる木郎古道と同じ凝灰岩が、海岸を形作ります。
水墨画にありそうな・・・
凝灰岩の大きな岩に松が生え、干潮の波瀬には春の海草アオサ。
3月に入ると、山にいてもアオサの粕汁が無性に食べたくなったものでした。
夏には、甥がテングサやモゾコ(もずく)を採ってくるのもこの海です。
凝灰岩の岩場に芽を出したオニユリ
海岸の岩場を伝って行くと、上方にオニユリがたくさん咲いていました。
派手なオレンジ色に黒っぽいブチの入った花びらが反り返り、ササユリの華奢な姿とは異なり力強い印象。鬼と名づけられる所以でしょうか。
凝灰岩の岩に咲く、懐かしいオレンジ色の百合。
時を経ると、記憶の中の景色も違った色に見えて、何度でも美しい故郷がありました。


オニユリ  ユリ科                                                  
 茎は、1~2mになり暗紫色、若いときには白毛がある。葉のわきに黒紫色の珠芽(ムカゴ)がつく。
コオニユリには、珠芽がつかない。                    山と渓谷社 『日本の野草』より


2015年4月5日日曜日

奥能登の荘川桜

十年以上前、裏の土手に、桜の苗を植えました。
今では、とても大きな木に成長して、今年も開花の頃を迎えました。
この桜は、荘川桜の実生だそうで、エドヒガンと云う品種です。
蕾の頃から咲き始めは濃いピンクで、開花が進み満開になると色が淡くなります。
苗木をいただいた時は、旧荘川村在住の化石関係の方が実生から育てたモノだと聞いていました。
いろんな経緯で作られた苗木は、縁あって奥能登の地で毎年、花を咲かせてくれました。
今回、苗木誕生の発端となった化石関係の方が、遠く愛知から花を見に来られると連絡がありました。
ソメイヨシノの華麗さに比べ、清楚と云った趣の荘川桜・・・。
新年度にあわせて、新しいスタートを応援するようにやがて満開の頃を迎えます。


2015年3月31日火曜日

一献の系譜

日曜日の朝刊で、『一献の系譜』と云うドキュメント映画の完成上映会が輪島と珠洲で行われ、今日の10時からと14時から当地で上映されると記載されていました。
映画は、能登杜氏の姿を追ったドキュメンタリーです。
能登の風景や酒蔵の映像がとても美しい映画です。
挨拶するのは、能登を舞台にした映画『ひとにぎりの塩』を制作した監督の石井かおりさん。
たくさんの方々に映画を見てもらうことで、県外でも上映される機会を作り、広く能登を知ってもらえればと・・・熱く語られました 。
高いところからすみませんと・・・会場も能登です。
同じ新聞で、県外での能登の認知度について掲載されていました。地元の期待に反して、首都圏や大都会圏では、能登を知らない人が大多数です。能登の風土が醸し出すお酒を口にする機会はあっても、能登は遠い異国のような存在でしょう。 
過疎の進む能登の地で、県内や県外で、能登の蔵人たちは、極上の酒を作りあげる為に励んできました。
映画の制作とともに能登でさまざまな体験をし、能登を好きになってくれる「呑みトモ」を増やすプロジェクトも同時進行されたそうで、そのページには、能登の酒の特徴を
「芳醇旨口(ホウジュンウマクチ)」と呼ばれる能登の酒は米のうまみを残しつつ、後味が良く、次の一口を呑みたくなる。
と紹介されています。
梅干し用の梅の木、花が満開です。
梅が咲いて、やがて桜が開花する頃、能登にも春がやってきます。
進行の方が、「映画を見たら、お酒が飲みたくなります。」と話されていました。
梅を眺めながら、白藤酒造の白菊が思い出されました。


2015年3月30日月曜日

椿の岬遊歩道と雪割草 2

能登の花を観察する二日間のトレッキング。濱谷さんから、きれいな雪割草の画像が届きました。
おしべがピンクのお洒落な雪割草
覆輪のようにピンク色で縁取られた雪割草
純白とピンクが並んで・・・
行者ニンニクの群生の中に、満開の雪割草
皆月集落から登るコース沿いに比べて、深見地区の群生地には、ピンク系統の雪割草が多いそうです。
薄いピンクや濃いピンク、覆輪気味のピンクの花の中に白い雪割草が群生しています。おしべの色もさまざまで、こちらを見て!と言っているようです。
木々の樹形が物語る奥能登外浦の強風に耐える小さな可憐な植物は、地元の人々の努力の賜物。
ずっと大切にしたい能登の自然がありました。
  撮影 T.Hamatani





2015年3月27日金曜日

椿の岬遊歩道と雪割草 1

植物おもしろ探検 能登の植物観察。
初めての奥能登での植物観察は、猿山岬の雪割草と岬遊歩道の椿を楽しみました。
1日目は、雪割草です。白山麓や金沢から遠く離れた門前町の深見地区の登山口に11時に集合の予定が、全員早めの到着。10時45分には、駐車場から出発です。
環境保全協力金を払って(任意です)猿山のマップをいただきました。
長崎出身の受付担当のおじさん、花は満開ですよと話してくれました。
海からの強い風で不思議な形となった欅の木の下で
ピントがずれてますが、ピンクの濃淡の綺麗な雪割草。
濃いピンクが一際鮮やかです。
随分前に訪れた時に比べて花が少なくなっていること、盗掘があるので補充してることをメンバーの方々から聞きました。下見の時には、目だたなかった行者ニンニクが雪割草に負けじと葉を広げて群生しています。時には風に乗ってニンニクの香りが漂うとか・・・。
キクザキイチゲ
オウレンやキクザキイチゲ、エンレイソウ、キジムシロ、ネコノメソウ、アオイスミレ、タチツボスミレなど早春の花々が彩る道。予定していた猿山灯台へは辿り着けませんでしたが、満開の雪割草の美しさを満喫して、来た道を下りました。
眼下に家々の黒瓦が日に光り、外浦の海が青く広がっていました。