一つが壊れてから、置く形のものに変えたのでしたが、新聞の記事を目にして懐かしい陶器店にでかけてみました。随分と久しぶりに覗いた店内には、今日入ったばかりだと云う鯉の花掛けが積まれていました。
昔に比べたら、幾分可愛い系になっていました。 |
手書きの値札で魚は、鯉だと判明。昔は、漁師町だけの需要だったそうですが、鯉の滝登りの故事があるように、最近では、商売繁盛を祈って会社などでの購入も増えているとの事でした。但し、問屋さんも1軒なら、小売店も県内ではこちらだけなのだそうです。
お話好きの店主と話しが弾み、今の世の失われつつある器に話題が移りました。
これは、ベン皿。なまぐさものをべんと言いますが、鱈汁などを食べる時に使います。丁度入ってこられたお客さんともそんな話で盛り上がりました。今の食卓には、まず上がらない器なのだそうです。そう言えば、白山麓ではこの手の少し小さな皿があって、カネコ皿と言われていました。お隣の福井のおろしそばもこの器で饗されます。
いろんな形の燗徳利 何に使うか分からない若い人も多いとか・・・ |
店内には、消えゆく定めの器達をはじめたくさんの器が所狭しと並べられていました。
食生活の変化で、各家の食器棚の器も変わります。
地産地消や地域の食で賑わい創出をとまちおこしが叫ばれる昨今ですが、器が一つ無くなる毎に伝統の食も無くなるのかもしれません。
細々と作られて売られている花掛けに小さなスポットがあたり、
物言わぬ器達から、食文化、そして商店街の現状まで様々な今が見えた時間でした。
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