2015年1月24日土曜日

真脇遺跡現地説明会

縄文期初 「ほぞ」加工の角材 真脇遺跡で見つかる

現地説明会に出かけてきました。「ほぞ」加工の木材は、全国でも出土事例があるようなのですが、角材とほぞ加工の出土は、全国でも初めてのケースだそうです。
鉄器もない縄文時代に角材にして「ほぞ」を作る技術があり、又、厚さ1㎝の板に加工する技術があった事に驚いてしまいました。それは、3,000年も前の人達のこと・・・。
白い長靴の右方向に「ほぞ」加工のある角材があります。
角材の傍には、丸く結わえた蔓状のモノがありました。ここは、その頃、川が流れていたと推測されるところだそうです。奈良などで出土事例があり、川に木材を結束して置き淀みを作り、ドングリやトチなどを水にさわしたと考えられるとの事でした。周りには、黒いトチの実の殻がたくさん見えます。
              
今は、周囲に栃の木がたくさんあるようには見えませんが、縄文時代、すぐ近くまで海の迫ったこの場所には、川が海に流れ込み、山手には栃の木や今回出土した角材や部材の材料と思われるアスナロ属やスギ・クリ・アテなどがたくさん繁っていたのでしょう。
イルカを食し、山の木の実を食べ、縄文の人々は何代にもわたって集落を形成して暮らして来たのでしょう。
縄文真脇遺跡は、縄文時代前期初頭(約6,000年前)から晩期終末(約2,300年前)まで約4,000年間、途切れることなく人々が住み続けてきた全国でも例を見ない長期定住遺跡として、平成元年に国指定史跡に指定され、平成3年に出土品219点が国指定重要文化財となりました。
そんな遺跡の発掘も、資金難などで今後の調査は先が見えないようでした。
史跡整備にたくさんの予算がつけられて、発掘調査に予算がまわらない、本末転倒のような現実に、残念な思いで説明会場を後にしました。

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