2023年7月23日日曜日

能登散歩

暑い一日、能登散歩に出かけました。
千枚田のポケットパーキングに入ると、観光客が皆、下を見ています。
何?と見下ろせば、青田の畔の草刈中でした。たくさんの小さな田んぼがはっきりと見てとれます。稲を植えるのも大変ですが、畔の草刈り、収穫等々、とても手のいる田んぼです。
小さな田んぼから取れるわずかな米、たくさんの苦労が重ねられた千枚田。
畔の草刈を終えると、青い稲が田んぼの形を描き出します。
草刈り機の無い時代、どのようにこの田で米を作っていたのでしょう。
観光地となった現在。田を際立たせるように刈られる畔の草。
そんな事は、出来なかったんだろうなと、様々に思いを巡らせてしまいました。
次は、テレビで紹介されてた七尾城址です。
下から歩くつもりが、歩きだす場所を通り過ぎてしまい、本丸駐車場まで上がってしまいました。ボランティアガイドの方々に方角を教えてもらい、パンフレットを手に向かいます。       
遠くに石積みが見えてきました。想像以上に、大きくてきれいです!
野面積の石垣
石垣が登場した頃に使われたそうで、表に隙間があるけれど、崩れにくいのは、
裏でしっかりと組まれているからだとか。が、見栄えが悪いのと、
敵が侵入する時の足掛かりとなるので、隙間に小さい石を詰めたらしい。
ほとんど加工されていない天然石を使用したとあります。
※野面積の説明より
国指定史跡 七尾城址 の案内板
我が国中世における山岳城郭史上すぐれた遺構として、
昭和9年12月23日に、国指定史跡に指定されました。
見事な石垣に囲まれた階段を上り、桜馬場、西の丸、九尺石、二の丸、三の丸と案内板通りに巡りました。三の丸を経て、元の桜番場方面に向かいます。
案内板にある七尾城史資料館前から出発のはずでした。
右手山側から、流れ出る水の音が聞こえ、道の左側に目を転ずると
竹林の竹が、もこもこと手招きするようで、とても綺麗です。
寺屋敷跡を左手に見て、石段の向こう、杉木立の合間に石垣が見えます。
遊佐屋敷跡を経て、いよいよ本丸跡です。
広い本丸跡地には、七尾城址の大きな石碑と城山神社の小さな祠と鳥居がありました。
本丸跡からは七尾湾一帯を見渡せます。
テレビでは、感じられない空気感と迫力に圧倒された七尾城址。
この石垣を積むのに、一体、どれだけの人達が石を運んだのだろう。
汗だくになって歩きながら、汗して石を運び、積み上げる人達を思います。
石垣をじっと見てると??花崗岩が混ざってる?
駐車場に戻って、ボランティアガイドさんに訊いてみると、後年、前田の時代に修復したものだろうとの事でした。ガイドさんも「我が七尾城」と言わんばかりの雰囲気に、さもありなんの山城散歩でした。
百聞は一見にしかず、テレビより現場 とばかり、久しぶりにわくわくしながら、酷暑も吹っ飛び、帰路につきました。     

2023年6月23日金曜日

白山麓を歩く  初夏の甚之助まで Ⅲ

初夏の花々の画像が届きました。
アカモノ(イワハゼ)  ツツジ科
ベニバナイチゴ  バラ科
ゴゼンタチバナ ミズキ科
今、蕾が開いた感じのゴゼンタチバナの花
イワナシ ツツジ科
この実を見ると「うまいんや」と教えてくれた昔の職場の方を思い出します。
カラフトダイコンソウ バラ科
ダイコンソウ等とは、茎についてる葉っぱに違いがあるそうです。
キバナノコマノツメ  スミレ科
名前の駒の爪は、葉っぱの形を馬の蹄に見立てたもの(牧野)
と白山の花ガイドに記してあります。
コヨウラクツツジ  ツツジ科
吊り下がった花の様子を瓔珞に例えてつけられた名?と思ったら、
「花が瓔珞に似ていることが由来」とありました。 
 
クロツリバナ  ニシキギ科
ミネカエデ  カエデ科(ムクロジ科)
オガラバナ  カエデ科(ムクロジ科)
ムラサキヤシオ  ツツジ科
とても艶やかなムラサキヤシオツツジが木道脇を彩っていました。
タケシマラン  ユリ科
テンナンショウ  サトイモ科
黒紫色と薄黄緑色の仏炎苞、葉っぱも茎も同じようですが、
違う名のテンナンショウかな?何テンナンショウでしょう?
トチバニンジン  ウコギ科
開花前の蕾も、小さな花も花後の赤い実も、みんな可愛い
ズダヤクシュ  ユキノシタ科
漢字では、「喘息薬種」と書くそうで、喘息の薬として
長野や福井、富山県などで民間薬として利用したそうです。
種が出来てるズダヤクシュ
 たくさんの花を見た登山道でしたが、「これどこにあったの?」と思う程、見つけられなかった花々の画像をたくさん送っていただきました。

丁寧に撮影された花々を見るたびに、登山道は、大きな植物園のようだと思います。
美しい植物の画像に感謝して、涼やかな6月の山歩きを思い出しています。

撮影 T.Hさん

白山麓を歩く  初夏の甚之助へ Ⅱ

 初夏の甚之助までの道で出会った花々です。
サイハイラン  ラン科
マタタビ  マタタビ科  
ササバギンラン  ラン科
ツクバネソウ シュロソウ科 
クルマバツクバネソウ  シュロソウ科
今回、初めましてのクルマバツクバネソウ
二つ並べると、違いが一目瞭然です。
エゾスグリ  ユキノシタ科
マガタケスグリ  ユキノシタ科
先っぽに残る花は、薄い黄緑色です。
ハクサンチドリ  ラン科
白山の花の女王?のように艶やかな花
オオバミゾホオズキ  ゴマノハグサ科
名前がなかなか出てこなかった。
『白山の花ガイド』を手に、懸命に覚えた遥か昔を思い出します。
コミヤマカタバミ  カタバミ科
亜高山帯に分布し、葉っぱの形が丸くハートの形。
コイワカガミ  イワウメ科
サンカヨウ  メギ科
エンレイソウ  シュロソウ科
下の方では、黒い実をつけていましたが、花が咲いたばかりのようです。
ミネザクラ  バラ科
咲き始めなのか、とても濃いピンク色が目を引きました。
ノビネチドリ  ラン科
高飯場は、ノビネチドリの群落でした。
ハクサンハタザオ  アブラナ科
オオバギボウシ  ユリ科?
別当出合で解散後、イチヤクソウを見に行きました。
イチヤクソウ  ツツジ科
元イチヤクソウ科には、ウメガサソウやギンリョウソウ等が含まれ、
同様にツツジ科と記されています。
この時期の砂防新道は、いつ以来でしょう。
たくさんの花々に見せられ、ゆっくり歩く事が出来ました。
花々のお陰で、のんびり楽しい一日でした。

白山麓を歩く  初夏の甚之助へ Ⅰ

水無月、6月の山歩きは、甚之助小屋までです。
東の空に金星が輝く中、別当出合に向かいました。
7時30分頃、駐車場に到着。休憩舎に集合し、8時少し前に出発です。
一面の若葉、青葉の中を歩きます。
心配していたほど暑くはなく、たくさんの花々を見ながら、ゆっくりと歩きました。
9時少し前に、中飯場に到着。
大きなダケカンバ (別名:モモちゃんのダケカンバ)
『続白山紀行』の別山から一之瀬村までに、緋樺坂と云う記述があります。
樹皮が白くなり、白樺のように見えるこの木が「緋樺」だったのは、
もう少し若木の頃でしょうか・・・?白い皮を剥ぐと緋色が見えるかな?

中飯場の上の車道。遠くに不動滝が細く流れているのが見えます。
10時20分過ぎに、別当覗到着。雲の間の青空に、飛行機雲が見えます。
小休憩後、到着順に甚之助を目指しました。
火口域2キロ圏内に入り、木道を歩きます。
水分補給をする頭上を、エンジン音を響かせてヘリコプターが飛んで行きます。
甚之助の汚泥を運んでいるとか・・・
本来は、登山道沿いを飛んではいけないらしいヘリコプター
どう見ても、私達の頭上を飛んでいるんじゃないかしら?
11時35分過ぎに、高飯場到着。
ヘリが甚之助へ飛んで来るそうなので、ここで昼食を摂りました。
少し青空が見えてきました。お弁当タイムを終えて、12時50分頃、下山開始。
別当覗で、少し休憩して下ります。
14時頃、中飯場の車道を渡ります。
下山コースの横になった太い木を跨いで通った道は、
谷側に石を積んで広くなり、歩きやすくなっていました。
         
別当出合の休憩舎の赤い屋根が見えます。橋を渡って15時過ぎに休憩舎に到着。
それぞれのペースで歩いて、それぞれに花と緑を堪能した時間でした。
途中、会えたメンバーと話し、連れ立って下山出来て、二重三重に楽しい甚之助小屋行でした。